【長編】Sweet Dentist
冷たくて…とても悲しい声だった。


響先生は心に何かとても悲しい思いを秘めているんだって感じた。

その時あたしは直感した。

どうしてかはわからないけれど、響先生の心を救ってあげなくちゃいけないと思ったの。


「いい加減にしろ。俺に触れるな!」


彼の叫ぶ様な声に胸が切り裂かれるような痛みを感じる。

このままだと…響先生の心、壊れてしまう。悲しみに押しつぶされてしまう。

だめだよ真由美さん。追い詰めないで…。響先生を追い詰めちゃダメ…。




「だめぇぇぇっ!」





あたしは無意識に真由美さんを押しのけると

響先生の前に両手を広げて護るように立っていた。




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