【長編】Sweet Dentist
殴られた頬はズキズキと痛み倒れた時にぶつけたらしい頭が今になって痛みを帯びてきた。

でも、そんなこと言っていられない。

あたしは大きく息を吸い込んで真由美さんを睨むと、凛とした大きな声で言い放った。

「響先生を追い詰めないで。先生が壊れちゃう」

「あなたには関係ないでしょう?どきなさいよ」

「イヤよ。あなたは気付いていない。
先生を好きだって言っておきながら先生の心が冷たく固まっていく事に気付いていない。
そんなわがままなあなたが結婚して、響先生を幸せに出来るなんて、あたしには思えません」

「千茉莉…おまえ…」

響先生の戸惑った声が背後から聞こえてくる。

怒りに顔を真っ赤に染めた真由美さんが腕を上げ


あたしの頬をめがけて振り下ろした。




―――くる!




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