【長編】Sweet Dentist
「先生…大丈夫だった?」

「あ…あぁ、千茉莉は…痛かったよな。
ごめん変なことに巻き込んで」

「ううん、大丈夫。それより今日はもう、治療はムリだね?」

「ああ、千茉莉のその傷も診ないとな。おいで」

響先生があたしを抱き上げて診療台に乗せてくれた。

そっと頬に手を当てて腫れた部分を確認する。

「口の中は切らなかったみたいだな?
少し冷やせば腫れはすぐに引くと思う。
後で送ってやるから少しここで休んでいくといい。
今、氷を持ってくるから待ってろ」


響先生はそう言い残すと診療室を出て行った。


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