【長編】Sweet Dentist
「オイ、千茉莉。人の話聞いてるのかよ?」
突然の宙の声ではっとする。宙はずっと話し掛けていたみたいだけど、あたしはまったく上の空だった。
あわてて宙を振り返ると眉間に皺を寄せて機嫌の悪い顔であたしを見ている。
「あ、ゴメン。何の話だったっけ?ちょっと考え事してて…」
「…千茉莉…。おまえがなんだか凄く遠くにいるみたいに感じる」
「なにそれ、ここにいるじゃない。宙ったら変だよ?どうしちゃったの?」
宙はあたしが聞いていなかったのが気に入らなかったのか、怒ったようにあたしの腕を掴むとツカツカと歩き出した。
「なっ…宙?何よ。どうしたって言うの?」
宙は道路に面したフェンスと大きな桜の木のある場所にあたしを連れて行った。
ここは校内でも有名な告白スポットで、ちょっと周囲からは死角になって見えなくなっている。
ナイショ話や告白をするには人に見られにくくてちょうどいい場所だ。
でも、この場所って学校側からは死角になるけど、校外の道路に面した部分は思いっきり見えているんだよね。
道路から丸見えなのに、こんな所で告白なんて本当にみんなしているのかな。
なんとなくそんな事を考えていると
ようやく宙があたしの手を離した。
突然の宙の声ではっとする。宙はずっと話し掛けていたみたいだけど、あたしはまったく上の空だった。
あわてて宙を振り返ると眉間に皺を寄せて機嫌の悪い顔であたしを見ている。
「あ、ゴメン。何の話だったっけ?ちょっと考え事してて…」
「…千茉莉…。おまえがなんだか凄く遠くにいるみたいに感じる」
「なにそれ、ここにいるじゃない。宙ったら変だよ?どうしちゃったの?」
宙はあたしが聞いていなかったのが気に入らなかったのか、怒ったようにあたしの腕を掴むとツカツカと歩き出した。
「なっ…宙?何よ。どうしたって言うの?」
宙は道路に面したフェンスと大きな桜の木のある場所にあたしを連れて行った。
ここは校内でも有名な告白スポットで、ちょっと周囲からは死角になって見えなくなっている。
ナイショ話や告白をするには人に見られにくくてちょうどいい場所だ。
でも、この場所って学校側からは死角になるけど、校外の道路に面した部分は思いっきり見えているんだよね。
道路から丸見えなのに、こんな所で告白なんて本当にみんなしているのかな。
なんとなくそんな事を考えていると
ようやく宙があたしの手を離した。