【長編】Sweet Dentist
どうしたらいいんだろう。

これじゃ年の差を見せ付けられたようなものじゃない。

あたしなんかが一緒に歩いてたらアンバランスだよ。

大体着替えなんて持っていないから制服のままだし、帰って着替えようにも先生とバランスの取れるような大人っぽいスーツなんて持っていない。

そこまで考えてふと思った。

あたしに行きたい所はあるかって聞いてた響先生がこんなにきちんとした格好をしてくるって言う事は、何処か決まった場所にあたしを連れて行く気なんだろうか。


…先生は一体何処へ行くつもりなんだろう。



唖然と立ち尽くして動こうとしないあたしを不思議そうに見つめた響先生は、ツカツカと眉を潜め近寄ってきていきなり髪をかき回すように撫でてきた。

ようやくハッとして現実に引き戻された。




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