初恋～俺が幸せにしてみせる～

俺の目からは
いつの間にか、涙が
流れていた

泣くつもりは
なかったのに

千穂の痛みを
わかってやれたから？

千穂の痛みは
俺の痛みになるんだ

泣いたのなんて
いつ以来だろう

千穂の前では
自然と感情が出て
しまうんだ

千穂は俺の涙を見て
また苦しそうな
顔を見せた

俺の存在が千穂を
苦しめているのか？

俺が千穂を救いたいと
思う事が、もっと
千穂を苦しめて
しまうんだろうか？

『俺は何もして
あげられないのか？』

俺の言葉に、千穂は
ゆっくり頷いた

俺は怒りに似た感情が
込み上げてきた

『許せねぇよ。千穂の
気持ちを何だと
思ってるんだよ！』

悔しかった

千穂が辛い気持ちに
耐えている事が
悔しくてたまらなかった

それなのに千穂は
俺に謝った

何で謝るんだよ

千穂は自分が最低な
女だから、俺とは
付き合えないと言った

その言葉の後に
千穂は言った

『私、大介が好きだよ』