初恋~俺が幸せにしてみせる~
自然に千穂の事も
思い出さない日が
来るはずだと決め付けた

しばらく女遊びも
辞めていた

そんな体力が
残っていなかった

まともに飯も食べる事が出来なくなっていた

食欲が湧かない

特に人の死に
向き合った日には
一層飯には手が伸びない

初めて人の死を
告げられた家族の顔を
見た日は、こらえきれず影で泣いてしまった

全くの他人の死

俺が直接手を出して
治療をするわけでは
ないんだけど

それなのに、救って
あげられなかった
その命に、医者の
無力さを感じてしまう

人を助けたくて
医者になりたいのに

それさえも出来ない
俺は、絶望感に満ちた

遺族は医者を責めない

よっぽどの理由が
ない限りは
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