初恋~俺が幸せにしてみせる~
『それでも今は
大介が好き』

まっすぐ俺を見つめる
麻美の瞳が痛く刺さる

何でこんなにも真剣に
俺を必要としてるのか
わからなかった

こんなどこにでも
居るような単純な男の
俺をなぜ必要なのか

久しぶりに人に
必要とされていた

俺が必要な人間は
逃げていったから

おまけに人の命を
救う事さえもまともに
出来ないでいた俺

俺の存在自体も
意味があるのかを
考えていた今

千穂をどんなに必要と
していても、無駄に
された俺の気持ち

千穂は俺の気持ちには
答えてくれなかった

こんなに必要とされて
人間の感情を思い出した

俺は受け入れても
いいのか?

よくわからない麻美を
受け入れてもいいのか?

迷いはなくなった

女と遊ぶのには
慣れていたはずなのに

何を戸惑っているんだ

動いてみてからでも
わからない

お互いの気持ちが
動いてからでも
うまくいくんじゃないか

流されているつもりは
ないんだ

冷静に考えただけ

麻美と一緒にいて
俺が人として生きて
いけるのならば
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