初恋~俺が幸せにしてみせる~
俺の唇が少しでも
麻美の一部に触れると
敏感に反応する

綺麗な体をよじらせる

首筋に唇を近付けると
香水の匂いがほのかに
鼻をついた

俺の鼻は千穂の匂いを
まだ覚えていた

情けないと自分でも
思っていた

それでも忘れる事は
出来なかったんだ

でも…

麻美の匂いは
千穂の匂いとは違った

少し安心している
自分がいた

千穂をまだ忘れていない

情けない俺

千穂を頭から消す為に
無我夢中で麻美を抱いた

必死に抱いた

麻美だけを見て
麻美だけを考えて

麻美を愛するように

心底から愛している
ように

抱きながら、自分を
納得させていた

自分が千穂を
すっかり忘れられる
ように抱いた

汗を滲ませながら
麻美を抱いていた

ようやく一つになった

俺の影と麻美の影が
一つに重なる

麻美の爪が、俺の
背中に食い込んでくる

それほど俺に感じて
くれているのかと
俺は喜んでしまう

思わず声が漏れる

俺の背中の爪は
何度も背中を上下する

そして2人で同時に
果てた
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