初恋~俺が幸せにしてみせる~
予告通りに麻美は
夕方にチャイムを押した

俺の前に現れた麻美は
花屋の帰りの姿だった

俺はタバコに火をつけた

『これから店か?』

一輪だけ刺さった
花瓶の花びらに
触れながら、麻美は
うんと言った

行くなよと言いたかった

躊躇している自分がいた

まだ長いタバコを
灰皿に押し付けた

俺は何も言わずに
麻美の唇を奪った

麻美は乱暴なキスに
抵抗をしていた

それでも辞めずに
そのままベッドへ
押し倒した

『時間がないから
ダメだよ』

抵抗する麻美を
抑えつけて
乱暴に唇を奪いながら
服を脱がせた

麻美は観念したのか
抵抗するのを辞めた

そして俺を受け入れた

乱暴に抱く俺を
受け入れてくれた

目を閉じて
俺を受け入れていた

自分がどんどん
情けなくなる

抱けば気持ちが
晴れるのかと思えば
益々自己嫌悪に
陥っていく

必死に麻美を抱いても
何も変わらない
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