初恋~俺が幸せにしてみせる~
『俺は麻美の事が
好きだよ。大好きだ。
麻美が借金してるから
ってそれが嫌いになる
理由にはならない。
2人で返して
俺が立派な医者に
なったら、結婚しよう』

精一杯のプロポーズ

麻美には伝わったかな

ちゃんと胸に届いて
くれたかな

麻美の顔を覗き込んだ

恐る恐る




麻美は涙で
ぐちゃぐちゃになった
顔をしていた

それでもさっきよりは
穏やかな顔をしていた

だけど麻美は言った

『大介に手伝って
もらうわけには
いかないよ』

震える声でそう言った

俺は溜め息を吐いた

『麻美の携帯が
ずっと鳴るのを
黙っているのには
もう耐えられない』

そう言った俺に
麻美はまた大粒の
涙をポロポロと零した

『もうそんなの
辞めようよ。ここから
新しくスタート
したらいいじゃないか』

俺の言葉は麻美に
響いていたのか

ここまできたら
俺だって、麻美を
守る覚悟は出来た

後は麻美が俺に
身を委ねてくれるだけ
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