初恋~俺が幸せにしてみせる~
思い立ったかのように
俺は立ち上がり
また走った

だんだん胸が
痛くなっていた

普段の運動不足のせい

それでも俺は
走り続けていた

向かったのは
麻美が居た花屋

綺麗な花は変わらず
俺を迎えてくれた

色んな花の匂いが
俺を出迎えた

だけどそこには
俺が会いたい人は
居なかった

いつも優しい顔で
花を見つめていた
愛しい人は居なかった

『麻美ちゃん居ないよ。辞めちゃったんだよ。
知らなかったの?』

店長が息を切らした
俺を見ながら言った

『辞めたって…いつ?』

『もう1ヶ月くらいに
なるかもねぇ。
本当に知らな…』

『わかりました!』

最後まで話す事なく
俺はその場を離れた

そんなに前に
辞めてたなんて

ショックだった

何も知らなかった事が
< 155 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop