初恋~俺が幸せにしてみせる~
―ピンポーン―

体がビクッと反応する

チャイムの音が
俺の鼓動を早まらせた

タバコを灰皿に
押し付けながら
ゆっくり立ち上がった

ドキドキはどんどんと
早くなっていく

なるべく足音を
たてないように
玄関のドアに向かう

手が震えていた

こんなにも気持ちが
小さい奴だったんだ、俺

情けない

悔しい

色んな感情が
こみ上げてきていた

ドアの前まで来た時
もう一度チャイムが
部屋に鳴り響いた

俺は大きく深呼吸をした

鍵に手をかけて
ゆっくりと鍵を開ける

ドアに手をかけて
いつもより重く感じる
ドアを押した
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