初恋~俺が幸せにしてみせる~
千穂の涙が脳裏から
ずっと離れないでいた

俺はどうする事も
出来なかったんだ

何て情けないんだろう

何て愚かなんだろう

自分に対する苛立ちが
こみ上げては消える

なぜか麻美を思い出す

あんな女、記憶から
消し去ってしまいたい

そう思えば思うほど
忘れていない事に
気付かされる

詐欺罪は死刑には
ならないだろう

どこかで罪を償い
道をわきまえて
社会復帰して欲しい

俺にはそれを願う事しか出来ないけれど

千穂と再会した俺は
麻美に騙されなければ
千穂との再会も
なかったのだと思い
自分の選択は
間違ってなんかいないと言い聞かせていた
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