初恋~俺が幸せにしてみせる~
翌日、重くのしかかる
二日酔いのだるさを
引きずったまま
実家を後にした

今日はタバコを吸う気も起きなかった

部屋に戻って
回転の鈍い頭を振り絞り書類の整理を始める

明日からまた
仕事が始まる

俺を待っている患者が
いるはずだから

ふと、携帯を開いて
美晴の事を思い出した

そういえば、メールを
返さなきゃいけなかった

待ってくれているのか
多少不安だったが
返信が遅くなった事の
謝罪と昨日のお礼を
メールで伝えた

携帯を閉じて、また
書類に目を移した

そして5分後

携帯が着信を知らせた

美晴だと思い込み
携帯を開く

そこには千穂の名前が
はっきりと書かれていた

俺は戸惑い、躊躇した

でもそれは一瞬

すぐに通話ボタンを押し千穂の声に耳を傾けた
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