初恋~俺が幸せにしてみせる~
食事が済んで、美晴が
トイレに立った間に
支払いを済ませた

カッコ良く見せたかった

ただそれだけだった

千穂となら、今度は
千穂がおごってくれよ
何て会話をしながら
払えるはずなのに

プライドが気になった

美晴と居ると、俺は
背伸びをしてしまう
気がしていた

申し訳なさそうに
何度もありがとうと
言う美晴と一緒に
店を出た

『もう一軒行って
飲み直そうか?』

美晴は俺の誘いに
笑顔で頷いた

近くの飲み屋街へと
足を向けた

お洒落な店なんて
俺は知らなかった

前に看護士達が
デートをするなら
そこの店がいいと
言っていた店が近い事を思い出してその店に
向かう事に決めた

雰囲気のいいバーだった

薄暗い灯りの下で
静かな音楽が流れる

カウンターの端に座った俺と美晴の反対側の端に中年のお洒落なオヤジと若い綺麗な女が
寄り添って座っていた

『わけありっぽいね』

美晴は小さく囁いた

『でもお似合いの
2人に見えるけど』

美晴は笑顔で頷いた
< 225 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop