初恋~俺が幸せにしてみせる~
静まり返った図書館

麻衣子は緊張していた

周りをきょろきょろと
見回していた

俺たちは空いてる
テーブルに並んで座った

麻衣子の可愛いノートとペンケース

ノートに何かを
書き始めていた

その字は丁寧で
とても整っていた

たぶん習字でも
習っていたのだろう

麻衣子がノートを
指差した

俺が覗き込むと

“話してもいいの?”

俺は笑った

『もちろんだよ』

と小声で言った

『安心した』

と麻衣子も小声で言った

その天然さが
とても愛おしかった

麻衣子は教科書を
開きながら、ため息を
ついて、俺を見ていた
< 23 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop