初恋~俺が幸せにしてみせる~
『私を恨んでない?』

美晴は不安げな顔で
俺を見つめている

『ありがとう、美晴。
俺、忘れかけてた事が
沢山あり過ぎたよ。
実は俺にも、大切な
初恋の人が居るんだ。
すぐに手の届く傍に
居るのに、自分の
気持ちを伝えないまま
美晴と見合いをして
結婚しようとしてた。
美晴の事、嫌じゃないしそれもいいと思ってた。だけど、美晴がちゃんと気付かせてくれたよ。
俺たちは、まだ諦めたらいけないんだ。
まだ何もしてない。
これからやるべき事が
残ってるんじゃないか。俺にも、美晴にも。
心のどこかに大切な人が居るんだったら、今は
諦めないで、進もう。
納得いくまで、ちゃんと恋を全うさせよう。
俺たちは結ばれない
運命なんだよ。こうしてお互い大事な事に
気付けたんだから』

『大介にも大切な人が
胸の中に居るの?』

『あぁ。初恋の人だよ。いつでも会える仲なのに俺はそれで満足しようとしているだけだった』

『私と同じだったんだ。同じ初恋の人を今でも
愛しているんだね』

『こんな偶然が起きて
しまうのも運命だった
のかもしれないな』
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