初恋~俺が幸せにしてみせる~
『さ、頑張ろう』

俺が促して、麻衣子は
シャープペンを
手に取った

麻衣子はわからない所を素直に俺に聞いた

俺は答えられる範囲で
答えていた

もちろん、俺はまだ
習っていない問題

俺はいい所を見せようと必死だった

麻衣子の教科書を
必死に読んで理解した

麻衣子の為に
頑張っていた

麻衣子は

『さすが、大介だね!』

なんて喜んでいた

シーンとした図書館で
勉強をしているのに
俺は麻衣子の事で
勉強なんて手に
つかない状態だった

隣に麻衣子が
居るだけで
俺の心臓は高鳴った

そんなやり取りを
繰り返して、1時間

麻衣子があくびをした

俺はそんな麻衣子が
可愛いと思った

麻衣子があくびを必死にこらえようとする顔が
俺の笑顔を誘った

『飽きた?』

と聞くと、麻衣子は

『限界…』

と眉間にシワを寄せた

『出ようか』

俺はその言葉と同時に
机の上を片付け始めた
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