初恋~俺が幸せにしてみせる~
図書館を出ると、
麻衣子は大きく伸びた

俺の前を歩いていた
麻衣子がクルッと
振り向いて

『やっぱりあたしに
勉強は向かないや!』

と言って軽く舌を出した

俺は麻衣子の隣に立って

『じゃあ、どっか
遊びに行く?』

と麻衣子を誘った

なぜか麻衣子の前だと
大胆になってしまう

『うん!』

麻衣子は俺の誘いに
戸惑いもなく答えた

とびきりの笑顔で

本当は勉強なんかより
こうして麻衣子と
遊びたかったんだ

たぶん…

勉強なんてどうでも
良かったんじゃないか

色んな麻衣子を
知りたかっただけ
なんじゃないか

俺はそれを自分で
確信していた
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