初恋~俺が幸せにしてみせる~
ようやく病院の中が
落ち着きを取り戻した
北川さんが亡くなって
1週間が経っていた
俺は時間があれば千穂に会いにいったり電話を
かけたりしていた
千穂は誰が見ても
わかるような造り笑顔で俺の前に現れている
でも、我慢出来なくて
泣いてしまっていた
『我慢なんてするなよ』
頷くだけの千穂の瞳からまた涙が零れ落ちた
そんな日々を繰り返す
それでも良かった
いや、それで良かった
医局に珍しい人が来た
湯川さんだった
俺の姿を見つけて
頭を深々と下げていた
『お忙しいところ
急に押しかけてしまってすみません』
『いえいえ。そちらこそ色々大変な時に
どうしましたか?』
俺には全く検討が
つかなかった
今さら俺に何の用事が
あるっていうんだろう
『これを、あの方に
渡して欲しいんです』
そう言って紙切れを
俺に手渡した
『千穂にですか?』
『はい。社長が眠る
お墓の地図を書いて
おいたんです。きっと
社長に会いたがって
いるんじゃないかと
思ったので。余計な
お世話かとも思って
何度か躊躇ったのですが社長に会ってもらいたいという思いの方が
強かったので…。
ご迷惑でしょうか?』
『喜ぶと思います。
私が連れて行きます』
俺はしっかりとその紙を握り締めて言った
落ち着きを取り戻した
北川さんが亡くなって
1週間が経っていた
俺は時間があれば千穂に会いにいったり電話を
かけたりしていた
千穂は誰が見ても
わかるような造り笑顔で俺の前に現れている
でも、我慢出来なくて
泣いてしまっていた
『我慢なんてするなよ』
頷くだけの千穂の瞳からまた涙が零れ落ちた
そんな日々を繰り返す
それでも良かった
いや、それで良かった
医局に珍しい人が来た
湯川さんだった
俺の姿を見つけて
頭を深々と下げていた
『お忙しいところ
急に押しかけてしまってすみません』
『いえいえ。そちらこそ色々大変な時に
どうしましたか?』
俺には全く検討が
つかなかった
今さら俺に何の用事が
あるっていうんだろう
『これを、あの方に
渡して欲しいんです』
そう言って紙切れを
俺に手渡した
『千穂にですか?』
『はい。社長が眠る
お墓の地図を書いて
おいたんです。きっと
社長に会いたがって
いるんじゃないかと
思ったので。余計な
お世話かとも思って
何度か躊躇ったのですが社長に会ってもらいたいという思いの方が
強かったので…。
ご迷惑でしょうか?』
『喜ぶと思います。
私が連れて行きます』
俺はしっかりとその紙を握り締めて言った