初恋~俺が幸せにしてみせる~
『たくさん辛い思いも
したんだけど、やっぱ
彼の事しか頭の中には
なかったんだよね。
どんな時でもずっと。
大介と出会って、自分の本当の気持ちに気付いてちゃんと彼に気持ちを
伝えようって決めて
ようやく素直な自分に
なる事が出来たんだ』

美晴はコーヒーを
見つめたまま話した

『しっかり気持ちは
伝わったみたいだな』

驚いたように、俺を
見た美晴は、笑顔で
ゆっくりと頷いた

『良かったじゃないか。幸せそうで安心した』

『大介にはどうしても
会って伝えたかった』

美晴は深呼吸をした

そしてまっすぐ俺を
見つめて言った









『ありがとう』




って





それは俺も美晴には
言わなければいけない
大切な言葉だった

お互い気持ちに蓋をして見合いをした事を
後悔してはいけない

おかげで大切な事に
気付く事が出来たんだ

美晴がずっと想っていた初恋の彼とうまくいって俺もちゃんと気持ちを
話す事が出来た

このタイミングで
美晴からの報告を
もらえて良かった

『美晴。俺からも
言わなきゃいけない』







『ありがとう』
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