初恋~俺が幸せにしてみせる~
北川さんの墓参りに
行ってからも、俺の中で悩みに悩んでいた時期も何もなかったかのように千穂と会っていた

千穂は相変わらずの
笑顔で俺に微笑む

食事へ行ったり
飲みに行ったり
カラオケへ行ったり
ボーリングへ行ったり

本当に楽しい日々を
過ごしている俺たち

もう俺の中では
決めていた事があった

悩んでいた事が
嘘であったかのように

昔の失敗で無くした
人への愛情と金

俺は全てを取り戻した

もっと自信を蓄えて




緊張して入ったのは
ジュエリーのブランド店

スーツに身を包んだ
営業スマイルの女性が
俺の相手をしてくれた

『どのような物を
お探しでしょうか?』

その質問に、少しだけ
恥じらいを感じながら

『婚約指輪を…』

と答えた

俺の相手をしてくれた
女性の笑顔が倍増した

どんなものだと千穂が
喜んでくれるだろうか

千穂にはどんな指輪が
似合うんだろうか

俺は千穂の笑顔を
想像しながら選んだ

ダイヤモンドが輝く
プラチナの指輪

もう迷いはない
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