初恋~俺が幸せにしてみせる~
帰る時間なんて
考えたくなかった

それでも時間は
容赦なく過ぎていく

帰りの電車に乗って、
麻衣子が降りる駅まで

俺には一瞬のような
感覚だった

俺は麻衣子を家まで
送ろうと、電車を降りた

麻衣子は大丈夫だと
遠慮したけど、俺は
強引に電車を降りた

俺たちは手を繋いで
ゆっくり歩いた

麻衣子のぬくもりを
離さないように

麻衣子は話の合間合間に俺の顔を覗き込む

俺はそのたびに、
胸がキュンとなる

嬉しくて、舞い上がる
俺の心臓

俺は必死にその高鳴りを抑えつけた

これが俺が夢にも
見ていた光景なんだ
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