初恋~俺が幸せにしてみせる~
麻衣子はゲーセンで
取ったぬいぐるみを
大事そうに抱えていた

『これ、あたしの宝物』

と言って、ギュッと
ぬいぐるみを抱いた

そんな麻衣子が
愛おしかった

『うち、ここだから』

麻衣子の家は
大きな新しめの一軒家

麻衣子が指差す先に建つ家の少し手前で
繋いでいた手を離した

『送ってくれて
ありがとう』

俺の大好きな笑顔で
麻衣子は微笑んだ

『今日は楽しかった。
またメールするよ』

俺は麻衣子に
微笑みを返した

『うん。帰ったら必ず
メールちょうだいね』

俺たちは約束を交わした

麻衣子は俺の姿が
見えなくなるまで、
手を振ってくれていた
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