初恋~俺が幸せにしてみせる~
次の日

俺が探していた千穂が
本当に目の前に現れた

話し合いの前に
学校名と名前を言い合うその時だった

昔の印象とはだいぶ
変わっていたが
俺にはちゃんとわかった

間違いなく千穂だった

俺はずっと千穂を
見つめてしまっていた

千穂は驚いたような
表情を見せた

何も語らないその目は
あの転校していく日の
目に似ていた

俺はせっかく必死に
なって作った資料を
棒読み状態で読んだ

こんなはずじゃない

こうなるはずじゃ
なかったのに

努力は水の泡だった

それでも千穂が
気になって仕方なかった

ずっと千穂を気にして
ばかりいた
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