初恋~俺が幸せにしてみせる~
『大介、具合悪い?』

小声で隣の彼女が話す

俺はただ首を横に振った

千穂の視線を感じた

いや、俺が千穂を
見ていたから、千穂も
俺を見ただけなのか

千穂は気付いてるのか

何もわからない

少し茶色に染めた髪を
何度かかきあげていた

そのたびに小さな
ピアスが見えた

俺の隣に居る彼女は
髪の色は真っ黒

スカート丈も校則に
従った長さ

ピアスの穴もない

真面目…

彼女にはピッタリの
言葉だった

千穂とは正反対

真面目を否定する
のではなく、千穂とは
違っていたんだ

自分がどっちが好みとかそんなんじゃなく
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