初恋~俺が幸せにしてみせる~
翌日

ちゃんと千穂は俺の
前に現れてくれた

夢じゃなかった

昨日部屋に来た時とは
違って、軽くメイクを
していた

なるべく千穂の傍に
居るようにした

千穂の幼なじみへの
手紙も預かった

ちゃんと渡すと
約束した手紙

俺は横に居る彼女の
存在さえも目に
入らなくなっていた

千穂しか見えない

千穂の声しか聞こえない

このまま時間が
止まって欲しかった

それでも時間は
過ぎていく

ゆっくり流れて欲しい
時間は俺の中では
何倍ものスピードで
過ぎているようだった

駅までの道のりも
とても短く感じた

そんな感情を抱いて
いるのは俺だけなのかと思ってしまうほど
千穂は冷静に見えた
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