【短編】Kiss Me…
「恋人のフリをしてくれって言われた時、そのうち由美子が僕を好きになってくれるかもしれないと思っていた。だけど、君はそんな素振り全く見せなくて…ずっと僕の片想いだと思っていたんだ。いつか好きな奴が出来たら由美子は僕から離れていってしまう。それは最初からわかっていたのに君を手放すのが辛くて…。でも『好きだ』なんて今更言える筈も無くて…。」
英輝の口から漏れ出た『好き』と言う言葉にぼんやりとしていた意識が覚醒した。
好き…?誰が誰を?
「どんどん綺麗になっていく由美子が眩しくて、真っ直ぐに見つめる事すら出来なくなっていた。君を真っ直ぐに見つめたら、抑え切れない思いが溢れ出て二度と放せなくなるって解っていたから。」
「…ひ…でき?」
「もう、絶対に放してやらないからな。由美子も僕を好きだってわかった以上、もう遠慮なんてしないから。」
腕の力が少し緩んでようやく英輝の顔を見ることができた。真っ直ぐに強い光を宿した瞳であたしを見つめてくる。
「随分遠回りしたね。3年前に恋人のフリをしてくれって言われた時に僕たちは本物の恋人になるべきだったんだ。」
あたしを見つめる英輝の視線が熱くて胸が痛くなる。
あなたをもっと見つめていたいのに、涙が溢れ出て止まらなくて…あなたの顔が滲んで見えなくなってしまう。
「英輝の…顔…見たいのに…涙で見えないよ。」
涙を堪えて微笑もうとするけれど、溢れ出てくる涙はそれまでずっと封印してきた想いを解き放つように流れて止まらなかった。
「好きだよ…由美子。」
英輝の口から漏れ出た『好き』と言う言葉にぼんやりとしていた意識が覚醒した。
好き…?誰が誰を?
「どんどん綺麗になっていく由美子が眩しくて、真っ直ぐに見つめる事すら出来なくなっていた。君を真っ直ぐに見つめたら、抑え切れない思いが溢れ出て二度と放せなくなるって解っていたから。」
「…ひ…でき?」
「もう、絶対に放してやらないからな。由美子も僕を好きだってわかった以上、もう遠慮なんてしないから。」
腕の力が少し緩んでようやく英輝の顔を見ることができた。真っ直ぐに強い光を宿した瞳であたしを見つめてくる。
「随分遠回りしたね。3年前に恋人のフリをしてくれって言われた時に僕たちは本物の恋人になるべきだったんだ。」
あたしを見つめる英輝の視線が熱くて胸が痛くなる。
あなたをもっと見つめていたいのに、涙が溢れ出て止まらなくて…あなたの顔が滲んで見えなくなってしまう。
「英輝の…顔…見たいのに…涙で見えないよ。」
涙を堪えて微笑もうとするけれど、溢れ出てくる涙はそれまでずっと封印してきた想いを解き放つように流れて止まらなかった。
「好きだよ…由美子。」