変わらないもの
夜中、年期のある蕎麦やを訪ねるものがいた。


「お願いします、オジイチャンがどうしてもここにキタイッテいっていて、スイスから来ましたヨー」

背の高い綺麗な女性が車椅子を押して、雨の中、訪ねて来た。

「ジャンなのかい?」


あの頃と外見は違うけど面影がある老人がいた。

女性「ワタシ、オジイちゃんの影響で、昔からニホンゴ勉強してるのですネ、おじいちゃん、事故にあって目が見えなくなって、足も使えなくなったのですネ。おじいちゃん、日本にいたころ一番楽しかったって。今ではボケちゃってるヨ・・・・・・ダケドその話はしてタよ、いつも。なんとか、夏休みにおばあちゃんに無理言っタ、ソレで連れてきたヨ」

やけに、日本語が上手で・・・・・高校生にはみえない、大人びた女の子に、チビは少し驚いていた。


チビ「そうかい、しかし・・・・・やっと引退して、店を息子に任せられるよ」


チビは安心した顔つきをして・・・・・感慨深げに言った。
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