キスがしたい.*゚短編゚*.
「ちょっと待った。泣く前に聞かせて?何でそう思ったわけ?」
私の髪を撫でながら健は逆に問掛けてきた。
「だって…私健とキスだってエッチだってしてないんだよ?どっかで満たしてるんじゃないのっ?」
必死に並べた根拠のない浮気疑惑の理由。
涙がまた一つこぼれ落ちた。
健は深い溜め息を一つ。
その溜め息にまた不安を抱く。
面倒臭いやつって思われたかな…なんて。
健の顔を見るのが怖くてうつむいた。
「ふざけんなよ…」
怒ったような口調。
やっぱ嫌われたんだ。
そう思った瞬間だった。