キスがしたい.*゚短編゚*.
私はわざと健と同じタイミングで手洗いを終わらした。
こっから、こっから。
手をタオルでふこうとして滑ってこけたフリをする。
案の定、健の腕によって救われる。
「あっ…ありがと…」
紅く染まる頬。
これは演技じゃないからねっ!リアルよ、リアル!
「柚音はドジだかんなあ。怪我すんなよ?」
クシャクシャと私の髪を撫でる健。
良い感じじゃない?
「健ー…髪ぐしゃぐしゃなっちゃったじゃん。仕返ししてやるうっ」
そういって健の髪をぐしゃぐしゃとする。
そのままよろめいてこける私たち。