猫と少女と少年と
捨てられた猫 見守る猫

ザァー・・・ザァー・・・

今日は雨がひどい。いっこうにやむ気配がない。

静かな夜の公園に雨の音だけが虚しく響いていた。
俺は冷たい水しぶきのせいで寒くなって、まるまっていた。

猫はコタツで丸くなるってよく言うけどな。

でも、主人は俺をこんなダンボールなんかに入れてなぜ置いていったのだろう・・・?俺が邪魔になったから?鬱陶しくなったからか?

結果的にはこれから俺はノラになるってわけだ。
俺を飼い始めた時はあんなに喜んでくれたから、俺も主人を信じて暮らしてきてたけど、結局俺を捨てていくんだ。
人間ってホント自己中心的だ。でも、主人のおかげで、このような難しい人間語も覚えれたんだ。主人には、正直感謝してるよ。

でも、これからどうしようか・・・。
           
ハッキリ言って、ノラの暮らしなんて全く知らない。
食べ物は?住むところは?
きっと、この町全体が家のような存在なんだろう。ノラにとっては。



スタスタ・・・・



ん!?誰か近寄ってきてるな。誰だ?知らないとは思うけど。

一応気になったので、ダンボールから顔をのぞかせて、来たと思われる方向を向いた。










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