猫と少女と少年と
「よぉ陽毬、元気そうだな。」

そう言って入って来たのは、陽毬と同じ年頃だと思われる男だった。
きれいな花を一輪持って。見舞いか?

そもそもこの男、陽毬とどういう関係なんだ?

「疾風(ハヤテ)!来てくれたんだね!」
「フン、約束したんだから、来るに決まってんだろ」
「ありがとぉ★」

約束だと?

「・・・?そいつ、猫か?」
「あ、ごめんごめん、紹介忘れてた。この子、澪っていうの。昨日捨てられてたところ見つけたから拾ってきて、ここで飼わせてもらってるのよ」
「へぇ~澪か・・・雌?」
「違う、雄よ。」
「フン。ずっと陽毬の膝の上でリラックスしてんな。そうとうお前のこと気に入ってるみたいだな。」
「そう?でも、気に入られたらうれしいな♪」


俺は陽毬のこと、すげー気に入ってるぞ!大好きだ!ほかの奴なんかに渡さないからな!!


「澪、この人は私と同じ学校で、クラスも一緒の人よ、櫻井疾風(さくらいハヤテ)君っていうの。一応、私の・・・」






 

その次の言葉は、聞きたくもない。なんだかとてもスローモーションに聞こえた気がした・・・。
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