猫と少女と少年と
「あーー!!?猫ちゃんだぁ!」
・・・・なんだ。小娘か。見た目だいたい中学から高校にかけての娘だと思うな。
以外と可愛い娘じゃねぇか。
「どうしたの?飼い主とかは?もしかして、一人なの?」
少女はしゃがみこんで俺を見つめて心配そうな顔をして聞いてきた。
《あぁ。ついさっき捨てられたんだ》
と、俺は鳴いた。
「もしかして、捨てられちゃったの?かわいそ~・・・こんなダンボールの中に入れられて・・・」
人間語は猫にも多少はわかるけれど、人間は猫語が全く分からないから、こうやって会話しているつもりでも、実は噛み合っていないことがある。
「陽毬(ひまり)~!!早く戻らないと、風邪ひくわよ~!」
「あっ!お母さん!」
なるほど。向こうの方にいるのがこの少女の母親か。
・・・で、そもそも何でこんな時間に公園なんかに?
とか思ってたら、母親が俺等の近くに寄ってきた。