猫と少女と少年と
「あ、ゴメンね。なんかボーッとしてた・・・。そういえば、猫ちゃんに名前教えてなかったね。私、陽毬。荘陽毬(かざりひまり)っていうの。よろしく。」

《ひまり、か・・・(やっぱ伝わってねぇ・・・)俺はエルってんだ。といっても伝わってないよな。》

「猫ちゃん、名前なんて言うの?とはいっても、教えることできないよね・・・。ねぇ、名前決めてもいいかな?」

やっぱ伝わってなかったな。名前か・・・住むところかわるんだし、いっそのこと新しい名前つけてもらおうか。

《新しい名前、つけてくれ》


「ミャーォ!」

俺は鳴いた。


「ミャオ、か・・・。よしっ決めた!これからあなたの名前は澪(ミオ)!澪、よろしくね♪」


そういって、俺の頭を撫でてきた。

澪かぁ・・・なんだかすごくいい響き。





すると、陽毬の顔から、スーッと笑顔が消えていった。そして、俺の頭から手を離し、静かに語りはじめた。
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