猫と少女と少年と
「だってね、今私はこうやっていろんな人に支えられているんだもの。だからとっても幸せなの・・。それに、今日また新たにあなたがそばにいることになったしね。」

《陽毬・・・》

俺は泣きたくなった。
あとわずかしか、この世で生きられないというのに、幸せだと言える陽毬が、とても眩しく、そして悲しくみえたから・・・。


もし、俺が陽毬の立場だったとしたら、こんなこと言えないだろう。絶対くやしくて、くやしくて、楽しく笑ってなどいられないはずだ。


陽毬はすごいと思う。



「ねえ澪。これから、私が逝くまで、ずっと私のそばにいてくれる?」



そうだ。俺には陽毬の病気を治すことはできない。

でも、それでも、そばにいて見守ることはできる。
これは、神様が俺にくれた仕事のようなものなんだ。
俺の果たすべきこと。


《いいぜ。ずっと、そばにいてやるからな》

「ミャーォ」

「いいの?よかったー。ありがとう澪。私たち、これからずっと一緒ね!」



偶然、いや、運命的に、俺の気持ちは陽毬に伝わった。
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