ジェットストリーム
前進
うだるような暑い真夏の午後。
容赦無く照りつける太陽も、ここでは遮断され、心地好い光へと変わっていく。

木漏れ日の中、スポットライトに照らされているように、その診療所はあった。

所々に罅が入った石塀からは無数の蔦が生え、緑色の壁を生成している。
まるで生きてるかのような力強い壁に守られたその建物は、どこかの映画で見たような、奇妙な既知感に襲われた。
< 79 / 215 >

この作品をシェア

pagetop