隣で。
1章 ハジマリ
「う…っっわあ-!!」

ガバッとベッドから飛び起きると,雑誌につまづいて勢いよく転んだ。

「んっもう!!誰が置いたのよ!!!」

無論,自分の部屋なんだからあたしのなんだけどね…

・・・・・相変わらず汚い部屋。

部屋を見渡してため息をつく。

机の上はマンガやらゲ-ム機のソフトやら置いてあるし,
クロ-ゼットの中は服がぐちゃぐちゃに入ってるし,
ベッドの下には雑誌が山積みだし,
床にはお菓子の袋とかペットボトルとか投げてあるし…。

ほんとに女の部屋かよ…

「こんなにゆっくりしてらんない!!遅刻する-っ」

部屋を出て階段を勢いよく飛び降りる。

運動神経だけは,昔から自信あるんだよね-っ♪

リビングの戸を荒々しく開けると,テ-ブルにはお父さんと兄ちゃんが朝ごはんを食べていた。

「何で起こしてくんなかったの!?」

お父さんにガンを飛ばしながら椅子に座り,ト-ストを口に入れる。

「最初は, おはよう だろ」

お父さんが冷たい視線であたしを見つめた。

その目には逆らえない…。

「おはよう…ございます・・・」

そう言うとニッコリ笑い,コ-ヒ-を口に運んだ。

「てかお前高2にもなんだから自力で起きろよ」

「うるさいなあ!!兄ちゃんこそ急がないと遅刻でしょ」

牛乳で残りのト-ストを流し込む。

う-苦しいっ!!

「俺はバイクで行くも-ん♪超余裕で学校着くし」

むかつく-!!!3歳しか違わないのに!兄ちゃんは保育士になるために大学に通ってる。

兄ちゃんを睨んでいるとお父さんが

「真帆。そろそろ行かないと間に合わないぞ」

「へっ?あ!!ほんとだっごちそうさまっ!!」

急いで顔を洗って歯を磨いて,部屋に入る。

鏡で顔をチェックしてかばんを持って部屋を出る。

「いってきま-す!!」




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