隣で。
「い…いや―――っ!!!!!」

思いっきり叫んで,かばんを顔に押し当てて机から飛び降りた。

幽霊は無理だよ-!!

見たくないけど,逃げなきゃだけど…,足が震えて動かない!!

やだよ…まだ死にたくないよおっ!!

―コツ…コツ…―

音が,どんどんあたしに近づいてくる。

へ!?どうしようっ

「ご,ごめんなさい!!もう悪い事とかしないんで!許してください―っ」

必死になって言った。

すると…

「ぷっ…何お前…」

………へ?

ゆ…幽霊って,しゃべるの??

恐る恐るかばんを下ろすと,目の前には知らない男。

「ゆ,幽霊,ですか…?」

声を震わせながら聞くと

「ばかじゃね-の?人間ですけど」

その男は笑いながらあたしを見た。

「よ…良かったあ…幽霊かと思った…」

足の力が抜けて,しゃがみこみこんだら男も一緒にしゃがみこんだ。

半分泣きながら,改めて男を見た。



どきんっ



遥に負けてないようなさらさらの黒髪。

吸い込まれそうな目,高い鼻,整っている顔。

細くて長い手足。

…かっこいい…。

そんな事を考えていると

「大丈夫?」

その男が聞いてきた。

「え…あ!大丈夫です!!」

やばい。めっちゃどきどきしてる!!何これ…。








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