隣で。
やばい。

この感情がもし{恋}と言うものならば,

あたし,凄い比呂の事好きだ…。

嘘…あたしが恋?

一人で悶々と考えていると

「真帆-!!いるのっ?」

買い物から帰って来たお姉ちゃんが部屋に入ってきた。

「ちょっ!!勝手に入ってこないでよ!」

「なによ。別にいいじゃない,姉妹の仲なんだから」

勝手に入ってきた挙句,部屋にあった飲みかけのジュ-スを断りも無く一気に飲んだ。

「…~!!お姉ちゃん!?」

「まあまあ。てかあんたの部屋はいつまでたっても汚いわね」

きょろきょろと部屋を見渡すお姉ちゃん。

「あたしの部屋なんだから,人にとやかく言われる筋合いはない」

「生意気なんだから-。女の部屋とは思えないね」

女………。

そうだよ…。

もしあたしが比呂の事好きだとしても,あんなかっこいい人があたしみたいな男勝りな人好きになるわけないじゃん…。

どうせ叶わない恋なら,しない方がいいよね。

てゆうか,あたしが恋?…笑っちゃうよ!!

ただ憧れってだけかもしれないし…!

「真帆?」

急に黙ったあたしを心配して顔を覗き込むお姉ちゃん。

「何でもないっ!!てゆ-か,ハヤシライス途中だよ?」

「は?真帆が作ったんじゃないの!?」

「じゃがいも一個剥いただけ♪あとはサボッたあ」

テヘッと舌を出してお姉ちゃんを見る。

「真~帆~!!夕飯に間に合わないじゃない!!」

昔からお姉ちゃんは怒るとお母さん以上に恐い。

ある意味,私達家族のお母さん役はお姉ちゃんだったのかもしれない。

「早く下降りて!!さっさと作るわよっ」

「は…はい!!」






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