今日も眠る貴方へ、
貴方が眠る日
忘れる事はないと思う。五月晴れの空に一筋の飛行機雲。

私は学校へ、貴方は会社へ。

角の交差点までのたった数十メートルだけど、途中まで歩いて行く。

そして別れ際には必ず決まって同じ言葉を交わす。


「行ってきます。気を付けてね」


「そっちもね」


私達をよく知る人達はそれを見る度に“まるで恋人ね”と言う。

歳も離れているのに恋人なんて照れてしまう。

何気ない毎日。刺激なんていらない。この日々が緩やかに続けばいい。

貴方と過ごす日々はとてもとても大切な物。
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