女子高生はオオカミ男。
ヤツの名は、狼
きっかけは些細なことだった。



入学式も無事おわり、平和な高校生活の始まりっと思ったら、

「おー、高瀬ちょうど良かった。コレ、運んでくれないか?」

最後まで居残っていた私に声を掛けてきたのは担任の笹岡先生で。ゲッと思ったけど、入学初日で断ったら印象最悪だし。

「いいですよ。どれですか?」

にっこり笑んで引き受ける。

「悪いな、ちょっと時間なくてさ。じゃあコレ」

分厚い資料を押し付けてきた。しかも何冊も。

おっ、重いんですけど……。

見えないところで顔をしかめていると

「男子部の資料室に運んできてくれ」

とんでもないことを抜かしてきた。

「えっ、せんせ………ちょっ、待って……え、ウソ」



これが波乱の高校生活の幕開けだった――――――――。


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