女子高生はオオカミ男。
知らねぇ…………?

「金、だせやぁ」

人が好意で金が無かろうと労働で我慢してやったものを……知らねぇ?

「おまっ、…………キャラ、違くね?」

あんたにキャラを診断させられるいわれは無い。

まあ、いい。

今は質問だけをしよう。落とし前はその後で。

「じゃあさ、暁って名前は?」

あんたにそんな言葉は扱えないとみた。

「ああ、そのこと?」

そのことです。

「ジジイの交換条件」

は?

何それ。

「なんか知らねーけど、女子部に入りたきゃこの名前にしろって」

…………理事長。

あんた、条件が見合ってないよ。

片や女子部に不正入学。片やそいつに名前を命名。

血は、争えない……で片付けられてたまるかあっ!

「俺も狼のままじゃばれるし、都合が良かったから」

わかりましたよ。じゃあ最後。

「なぜにカツラ?」

あんたがカツラとか、キモい。

「……変装」

「や、それはどうかと」

「俺、結構有名なんだよ」

それはもう聞きました。

「だから、変装」

「あー別に良いや、そんなこと」

「……自分から訊いてきたくせに?」

だって気になったし。

「じゃ、謎も解けたことで」

で?

ガラリと唐突にドアが開かれた。






< 19 / 26 >

この作品をシェア

pagetop