女子高生はオオカミ男。
「あのっ……ええとですね……」

つーかこの先生、名前なんだよ。

ああ、そういえば群青とか何とか狼がほざいてやがったな。

名字で群青とか珍しー。

「その…………群青先生、誤解ですっ!」

「……」

「…………」

……ちょっと待った。

何で二人ともそんなに驚いてるわけ?

私別に変なこといってないよね?

「……あのさ、これ見てくれ」

そう言って自分の胸を指した先生。

そこには名前が刻まれた職員専用のバッチ。

目を凝らすと

『三崎 群青』

……へ?

群青って名前!?

「そう言うことだ」

いやでも、狼は名前で…………

尋ねてみれば三崎先生は苦々しい顔で狼を見やり、

「嫌で嫌でしょうがないんだが、世間一般で言うと俺はこいつのお守りみたいなものらしい」

「らしいもなにもそうだろうが」

「何で俺がこんなガキ……」

「他にできることがないってことだろ」

二人で展開される凄まじい舌戦を私はあっけにとられながら見ていた。

< 21 / 26 >

この作品をシェア

pagetop