女子高生はオオカミ男。
「そういえば自己紹介してなかったね」

いきなり薄茶がそういったのは一人で持つと聞かなかった赤を何とかなだめて三等分したときだった。行き先は資料室だと告げてある。

「僕は悠。眞白 悠(マシロ ユウ)っていうんだ。1-D」

「うそっ!同い年!?」

むしろ年上かと…………。

「俺は真田 凪(サナダ ナギ)。同じく1-D。悠とは小学校からの付き合いだ」

「へぇー同じクラスなんだ……」

結構クラス数多いのにね。すごい偶然。

「まあな。で、アンタは?」

「あ、ああ。私は高瀬 優貴。今年入学したばっかりなんだけどね。C組」

「高校からっ!?」

「え、うん。そうだけど…………」

おかげで友達ができないけど。みんな小学校とか中学から上がってきてるし。ちょっと寂しい。

「アンタ頭良いんだな」

凪に感心するように言われ、少しこそばゆい。

「でもさ、何でこんなところ来たんだ?言っちゃ悪いけどここ、進学校だけど彼氏できねえぞ?女子と男子に別れてるから」

「でも家から近いし。私学にしては学費安いし。寮だし。大学まであるし」

「……」

「げ、現実的だね…………」

「そう?でも仕方ないよ。私……」

「私?」

「…………何でもない」

言いかけてやめると凪が不貞腐れた。なんだかすねた子供みたいで思わず噴出す。

「何だよっ」

そんなやり取りを続けているとやがて資料室に着いた。





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