Replicant・Lover's-L No.6
部屋の中を見回しても、ヨシちゃんの姿は無い。

「あ、ヨシダさんはちょっと、帰ってまた来るっすよ」

と、そこに玄関の方からウメちゃんが帰ってきた。

「あ、そー。ビールちょうだい、ウメちゃん」

「はいはーい」

髪をタオルで乾かしながら頼むと、ウメちゃんはあたしの脇を通り抜けキッチンへ向かう。

あたしは、そのままラブチェアに向かってジンの横に身体を沈めるように勢い良く腰を下ろした。

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