Replicant・Lover's-L No.6
「何の?」

エルとふたりで足もとのモニターに目を落とすと、確かにあたし達のいるスタジオではなく、報道のデスクで夜のニュースでお馴染みの男性キャスターが映っていた。

テロップには、外資系保険会社の社長が無事保護されたと書いている。

普段、ニュースなんか見ないから、一体どんなビッグニュースなのかさっぱりわからない。

「ほら、誘拐されてた社長だよ。知らないの?」

「うん」

「おいおい、これで会社社長やら政治家やら3人目だぞ?」

リョウゴがバカにしたように言う。けど、あたしもエルも興味がなかったので仕方がない。

「ふーん」

「ま、あたしに関係無いからいいけど」

いや、待てよ、関係あるぞ。


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