お姫様の秘密 †入学編†
「校舎は…あそこか。早めに行っとこう……迷う前に…」

広い敷地内に酔いながら、ふらふらと花の道を歩いて行く。

その時だった。


「……っ…とぉッ!!!?」

「うゎッ………!??!」


何が起きたか、一瞬では理解しがたかった。


ーーズキン。


「ーーでぇッ!?」

頭の奥の方から、ズシリと重い痛みが襲ってきた。

どうやら、頭を打ったようだ…。

仰向けの形のまま、頭を押さえていると、
田舎とはまた違う色をした空が、校舎と寮の隙間から見えた。

「……いてぇ………」

もう、朝早くからの長旅とか…
こんなでかい学校を酔う程見るとか…。

もう、疲れたわ。

大声を出す気力すらなかった。
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