お姫様の秘密 †入学編†

「そこを右に曲がった所にk-e室という所がある。君の受験場所はそこだ」

「えッ?受験場所なんて決まってんの?!みんな一緒じゃないんだ!?」

俺が歳上にため口をきくのはもうクセになっている。

というのも、田舎では敬語を使う習慣がないのだから、今更直すのも無理な話なのだ。

「あぁ。カンニング防止の為に、10人くらいに受験生を分けてから試験を受けさせるんだ」

「へぇ、大変だね。でも、この学校なんか広いから余裕だろうね」

「ああ、まったくだ。………ていうか、お前早く部屋に行け!!間に合わなくなるぞ!!」

「はいはい。じゃ、また会おうぜ」

「はいよ。まぁ、頑張れよ」


オッサンの応援に、笑って返し、部屋へと急いだ。



「……男みたいな奴だな…」

< 42 / 108 >

この作品をシェア

pagetop